《江西省・鷹潭の懸棺葬棺を見に行く》 2010年7月7日

次は何処へ行こうか・・・と手持ちのパンフレット(東京では虎ノ門の中国国家観光局東京事務所で無料で入手可能です)の『江西省』を広げて
いると、《懸棺葬棺》という記述が目に留まりました。


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どうやら、龍虎山風景区に仙水岩というものがあり、
  《仙水岩》は龍虎山風景区の大切な一部である。このあたりの水辺の絶壁には春秋戦国時代に残された《懸棺葬棺》が
  100余りある。
  《懸棺葬棺》とは古代中国の特殊な埋葬方式の1種であり、今は世界の一大奇観になっている。

     (上のパンフレットを原文のまま引用)

死者を弔う方式として、土葬・火葬・鳥葬・風葬等々があるという知識は持っている。また、中国の内陸部では崖に棺を置くと
いう特殊な方式もあるとTVの番組で見た記憶がある。呼称として、《懸崖葬》だったとような・・・

それからすると、この江西省の龍虎山の《懸棺葬棺》は《懸崖葬》であろう。四川省や雲南省の奥地の秘境にあると思ってい
たものがそれ程遠くない所に実存しているのであれば見に行かない手はない。

早速、善は急げで荷物をまとめて出発の手筈を開始しました。

『南昌』へのバスは12:15発でした。鷹潭から南昌へは160km、直通バスだったので高速道路をひた走るのみで面白さはあり
ません。約3時間で南昌のバスターミナルに到着。(面白くないので、途中の写真はありません)

バスターミナルに到着後、市内バスで南昌鉄道駅近辺へ。(16:00頃到着)
そこで今夜のホテルを探すことにしました。

鷹潭市内へのバスが直ぐにありました。来た時と同じ元気のいいオネエサン運転手のバスでした。11:00発車でした。
ということは、朝に鷹潭駅を乗ったのが07:15頃でしたから既に3往復目の仕事になると計算できます。
バス賃は3元。


駅前に戻ってきたのは11;25頃、もう鷹潭には用はありません。決めてはいませんが次の行先や行程を考えると省都
の《南昌》へ出るのがベストであろうと思い、少し鷹潭駅をぶらぶらしてから、バスターミナルへ行くことにしました。

鷹潭の市バスで5分程でバスターミナルに到着。1元でした。
鷹潭から南昌へのバスは1時間にほぼ1本、ターミナルの写真を撮ってから切符売り場で、『南昌』というと『直ぐに出
るから急いで改札口へ』といわれ、それに従うと現金で50元受け取って切符もなしに直ぐに乗車させられました。

車次 站次 站名 到達時間 開車時間 運行時間 里程
K794/K795 1 広州東 16:32 16:32 0分 0
K794/K795 2 東莞東 17:30 17:38 58分 86
K794/K795 3 惠州 18:18 18:21 1小?46分 140
K794/K795 4 定南 21:34 21:36 5小?2分 388
K794/K795 5 信豊 22:42 22:45 6小?10分 473
K794/K795 6 Gan州 23:34 23:39 7小?2分 536
K794/K795 7 興国 次日00:34 0:36 8小?2分 609
K794/K795 8 吉安 次日02:06 2:10 9小?34分 722
K794/K795 9 豊城南 次日03:46 3:48 11小?14分 864
K794/K795 10 向塘 次日04:37 4:47 12小?5分 920
K794/K795 11 進賢 次日05:11 5:13 12小?39分 956
K794/K795 12 東郷 次日05:41 6:13 13小?9分 995
K794/K795 13 次日06:50 6:50 14小?18分 1036

飛行機は利用しない基本方針がありますから、バスならばどう乗り継ぐか、鉄道は何処で乗換えか、ネットで検索しながら思案していると、
何と現在の居場所(広東省東莞市=旅のスタート地点)から《鷹潭》まで直通の列車があったのです。夜行は使わないという原則ですが、
バスはともかく、鉄道なら夜行の危険度も低いだろうと勝手に思い込み鉄道にすることに決めました。

東莞(正確には東莞東駅)を17:38に発車して鷹潭着が翌朝06:50、950km・13時間20分の旅です。
午前中に東莞東駅へ足を運び切符を買ってきました。7月に入ると学校が夏休みに入るので『多客期』ということになります。30分以上も列を
作って待って何とか買えました。
   (後にしてみれば切符を買えたのはラッキーだったかも知れません。また、鷹潭はどちらかというと支線の駅で直行の列車があることが不
    思議な感じさえするので、それほど多くの旅客は居ないのかもしれません)

東莞東駅へはローカル
の公共バスで向かいま
す。2元均一です。

(実は今日は2回目なの
です、午前中に切符を買
いに行きましたから)

 →ひと昔前のリッチで
  あった時は何処へ行
  くのも車でしたが、最
  近は積極的に公共バ
  スを利用します。慣れ
  ると便利なものです。

東莞東駅の待合室の情景
です。全車指定で座席は
確保されているのにも拘わ
らず何故か皆が殺気立って
います。

こういう私も、待合室内で
列を作って立って改札の時
間が来るのを待っていました

改札が始まったのは発車時刻
頃でした。もう既に列車は到着
していました。指定券通りの車
両に乗り込みました。

中国では列車の車掌は権威が
あります。私が一旦乗り込んだ
あと再度ホームに戻って写真を
撮っていると、《俺を写せ》と言わ
んばかりにポーズを取ってくれま
した。

今回のこのK794列車がほぼ定刻でした。今まで数回長距離の列車に乗っていますが、《定刻》というのは初めてのことでした。
《鷹潭》駅には06:50でしたが、途中で降りた乗客は20〜30%程度でした。ということは、広東省の広州や東莞と江西省の《鷹潭》
というさほど大きくない都市との直接のリンクもあるんですね。

駅に向かって左手に2軒もビジネスホテルがありました。
今後の為に記録写真としておきました。

さて、ここ《鷹潭》の目玉は『龍虎山』観光です。江西省の観光案内によれば20kmほど南とのこと。何かの施設がある筈だとぶらつくまで
もなく、『龍虎山旅游専線・候車点』=龍虎山観光バス待合場所=という少しくたびれた標識を駅に向かって右側に発見。朝7時前という
時間にも拘わらず、バスが待機していました。

バスは2種類、小型と大型です。

両方とも入り口まで3元で、何が違うのか全く判りま
せん。
私は、元気そうなオネエサンが運転する大型バスで
龍虎山に向かうことにしました。

(あとから思うに、小型と大型は単に運行している会社
の違いだけのようです)

中国の鉄道の車内設備のカテゴリーは一般的に、
   1.軟臥(一等寝台に相当)
   2.硬臥(二等寝台に相当)
   3.軟坐(一等座席)
一般的な長距離列車にはありません
   4.硬坐(二等座席)
   5.無坐(立ち席)
→多客期に号車を指定して発売(右を参照→)
私が今回のこのK794列車では、4.の硬坐の切符を買いました。

硬坐の席は、真ん中に通路を挟んで2席と3席が配置され、各々が向かい
合うので4席と6席のボックス席状になります。

戻りの列車は全てのカテゴリーが完売。
従って、《無坐》を買いました。
しかし、無坐の切符も入手できたのは
ハッピーなのです。南昌駅の電光案内
板を見ると、無坐さえも無いという列車
が多くありましたから・・・

硬坐夜行で13時間余り、 私の席は、7号車の47番で3席の通路側でした。問題は、肘掛が無いのです。
乗車時に小腹が空いた時用にと思い菓子類を2点(7元)買っていましたが、殆ど眠ることができずに途中で缶ビールを2回買い
(5元 x 2=10元)飲んで時間の経過を待っていました。(中国の鉄道では缶ビールは冷えていません・・・念のため)

結局、1時間か2時間程度うとうとしただけで夜行列車の初体験を終えました。

でも硬坐での旅、結構面白いものです。見知らぬ者が助け合ってのて列車の旅。また、私にとっては《中国人》が最も見える機会
でもあるのです。相手も私が《日本人》と知ると興味津々で色んなことを訊ねられて閉口することもあります。
まさに、『関口知宏』になった気分です。

バスは07:15に発車し『龍虎山游客中心』前へ到着したのが07:40、25分程度の乗車でした。

『龍虎山游客中心』は立派な施設でした。
ここは最近になり(2〜3年前?)外国人に
開放されたようで、施設が新しい。

このレリーフが結構よく出来ています。

イラストの部分を拡大してみました。

更に私が関心を持っている部分の再拡大です。昔の棺桶を崖に揚げる実演があるらしい。
乏しい予備知識できましたがこれは面白そうだ・・・
英語の、《Performance of Cliff Tobs Burial Culture》はよく訳されているが、Burialに違和感も感じる。

08:00頃に『龍虎山游客中心』へ入りました。まだ時間が早いのか人は殆どいません。入場料のタリフがありました。
   225元=門票+竹筏漂流+観光車
   150元=門標+観光車
    75元=竹筏漂流
つまり、基本入場料が100元、観光車が50元、昇棺実演見学付き竹筏漂流が75元との分解になります。

ところが、追加の張り紙に注目!!!

曰く、この処の大雨で河川が警戒水位を超えたので筏の運行(含、昇棺実演)は中止しております。

私がはるばるここへ来た目的は、懸崖葬の現場を観ることだったのです。
残念、残念、落胆、落胆です。

『龍虎山游客中心』の内部は広く、私の関心のある項目の垂幕もありました。

暫くすると係員が業務を開始したので、改めて訊
ねてみると、
  『きょうは筏も船も出ない。明日なら運行され 
  るが・・・』
という。

どうすることもできません。

では、その崖の墳墓を対岸から見ることは可能
か?と訊くと、それは可能だがそこまで行くのが
大変だ。観光車は?運行しているがお寺中心で
墳墓の崖へは行かない。では、徒歩でどれ位か
かるのか?2〜3時間。どう行くのか?この道を
進めばよい。
こんな問答でした。

ここ『龍虎山』は道教の聖地として今日も栄えて
いる非常に有名な場所で、道教に関連する施設
が数多くあるとのこと。でも私はその方面は全く
無関心なのです。何故なら、もう既に『道教の聖
地』といわれる所を数箇所巡っており、食傷気味
です。それよりも、《道教》自体に馴染みがなく、
また。知ろうという気が起きません。ですから、
1日ここに滞在してもすることがありません。

一寸迷った末の結論は、
《よしっ!歩いて行こう》

『龍虎山游客中心』にはこのパンフレットが置かれており、自由に貰うことができました。

《おもて》

《うら》

《うらに記載されているこの景区の地図》

《しつこうようですが、うらにある昇棺実演の写真(表演=実演》

我々にとって重要なのは
裏の地図と『昇棺実演の
写真(時間も記載されて
います』で、他は無意味
です。
  →少なくとも、私にとっ
   ては・・・

従い、敢えて拡大版を載
せるのを止めて、その代
わりに地図と昇棺の写真
のみを切り取って拡大して
下に掲げました。

意を決して歩き始めたのが08:20。

思い描いたコースは、地図の黄色い道路を歩いて、『龍虎山游客服務中心』→『桃花洲景門』→(川を渡ることができれば)→
『昇棺表演場所』→『仙女岩』です。

自分自身の記録、及び皆様方の参考になればと思い、時間を記載しておきます。

遊覧車も手持ち無沙汰です。
08:35 歩き始めてすぐ。左右に黄色い花が・・・
08:38 直ぐに大きな岩が現れ出しました。
08:39 隣の岩山です。
08:47 穴の開いている岩場が出現。
08:48 この岩山も同じです。

こらなら懸崖葬が行われていた事情がよく判ります。

09:12 象鼻山東門に到着。
09:26 桃花洲地への案内がありました。
09:31 仙水岩へのゲートが出現。

  本当は門標を買う必要があったようですが、
  ゲートが故障で問題なし。
  上の写真の二人は修理に来た技術屋でした。
もう既に1時間以上も歩いています。
この地はもう《真夏》です。汗がからだ中から吹き出ています。頭がクラクラします。
熱中症?

(これがあとから効いてきたのでした・・・)
09:36 対岸の岩場です。本来ならばここで実演が
      あるのですが・・・
09:50 実演場所の隣の岩場です。まさに、懸崖葬が
      あった現場らしいですね。
左の棺桶が残っている部分を拡大しました。

もう解説は何も要らないでしょう。一応、パンフレットには棺が100以上とのことですが、とにかく、どの岩穴にも
櫃があります。

ゲートをくぐった少し進むと河原に出ました。
さすがに水量は多く、残念ですが、筏が運行中止というのは納得できます。

残念ながら、水量が多いので筏はきょうまで運行中止とのことでしたが、足許を見てみると、大水の痕跡が至る所にありま
した。
竹がなぎ倒されています。また、遊歩道も多くの箇所で崩れ落ちています。(10:03〜10:06撮影)

10:10頃、下山を開始しました。
来るときは通らなかった所に、名所がありました。V字谷とその上に懸かる橋を正面に望むことができる場所がありました。
川の対岸だけに、デジカメの望遠機能を利用して何とか撮影できました。(10:28撮影)

もう歩くのは限界です。熱中症で倒れるかも知れません。
もうV字谷を観た後、歩くのを諦めました。10時半ごろ、たまたま来たバイタクを停めて元の場所に戻ることにしました。
15分程度で戻れました。改めて見ると、全ての施設が新しいか、建設中で、これを見ても、つい最近対外開放された
地区だというのが判ります。(撮影、10:45頃)

Gan州=

鉄道の『南昌駅』です。立派な佇まいで圧倒されてしまいました。

南昌の鉄道駅近の安ホテルには特色がありました。

駅至近の(というよりは、駅から正面に延びる目抜き通りの左手に大きなオフィスビルがあり、下層階は店舗、上層階は事
務所、そして中間の、概して6階から10階程度がフロア毎にホテルになっているのです。フロアでホテル名も、経営者も違
いますが価格は概ねシングルで80〜100元です。ネットは使えます。そのようなビルが数棟連続しています。

私はその中のひとつに目標を定めて、値段の交渉を始めました。
当初は100元でしたが、結局80元で手を打ち、部屋を見せて貰ってから最終的に決めました。
結論は、可もなし不可もなし。当初の確認どおりにネットは通じました。
省都の駅前の大通りに面していて、駅まで徒歩で2〜3分、ネットが使えれば申し分無しです。泊まったホテル名(というよ
りはフロアと言ったほうが正確かもしれません)は覚えていません(記録にも取っていなかったようです、ということは特徴が
なかったからでしょう)

『南昌』なり『江西』の名物料理に関しては情報がありませんでした。何故なら、今回の江西行きは急に思い立った事で、事前の調査
を殆どしていなかったからです。

ホテルに部屋を確保して、ネットでメール等をチェックしてから17:00過ぎに通りへ出てみました。

何かないかな?と歩いていると、これは江西名物ではないと思いますが、香ばしいやきもちの匂いに誘われました。進んで行くと・・・

多分、夫婦でしょう。共同作業でやきもちを焼いています。

インドのタンドリーチキンの竃に似ています。

竃は結構高温です。内壁に打ちつけて焼いて、頃合いを見て取り出します。

3個で1元。

具は基本的に《ネギ》でした。でも薄い餅で、高温でカリッと焼いてあるので、ネギ独特の臭みはありません。
実に美味しかった、というのが感想です。
3個の餅を食べながら夕食探しです。

結局、無難な《焼粉=米粉麺の焼きそば》になってしまいました。
7月7日は長い1日になりました。
殆ど眠れないまま朝に鷹潭に到着し、龍虎山へ。自然現象で筏は運行停止になっていたことから炎天下を荷物を背負って
徒歩で2時間余り。さすがに下山にはバイタクを使いました。そして町へ戻り、バスで南昌でした。

疲れてはいましたが、懸崖棺を見れたという達成感が大きく充実した1日になりました。
いつもとは逆で、最後に地図を掲げておきます。

上は広域図、下は江西中心の拡大図です。
《恒例の経費一覧です》
7/6 バス 東莞東站へ 2
鉄道 東莞東=鷹潭 146 950km 13時間12分
つまみ 7
ビール 列車内 10 5 x 2缶
7/7 バス 鷹潭=龍虎山入口 6 3 x 2(往復)
バス 鷹潭バスターミナルへ 1
バス 鷹潭=南昌 50 160km 3時間
1
バス 南昌市内 1
1
夕食 焼米粉+ビール 10
別途ビール 3.5
宿泊 80 南昌駅前
合計: 318.5